2008年05月03日

Pioneer<GOLDMUNDでOK、Pioneer>GOLDMUNDもOK

[ AV]

数週間ほど前。GOLDMUND (ゴールドムンド) というスイスのオーディオメーカーがWebの一部界隈でちょっとした話題になっていた。その理由は…ま、適当にWebをあさって頂くとして、そのネタを提供した側もどのような騒ぎになるかを分かっていてのネタ振りだったのでそれはそれで面白がって読んでみたのだけれども、まさか自分がその二つの音比較をする機会に恵まれるとは思ってもみなかった。

で、これが証拠写真。

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[図:親戚同士]

上に乗っているのが私所有のPioneer DV-600AV。師匠宅に自前のPioneerを持ち込んだのであります。そして下段にあるのが師匠様のGOLDMUND Eidos18ME-V。価格差に興味を持たれた方は各自Webで調べて頂くとして、単純に「0」の数が二つ違う。二桁の差!

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[図:例のアレ1]

で、話題の核心は後者の中身が前者メーカーの中身とほとんど変わらないという恐るべき事実。が、幸いなことにお師匠様の家に何度か足を運ぶ中で、天板を外して中身を見せてもらったことがあるので、そのネタがWeb上で展開された際にも特に驚くでもなく。事実、中身は案外スカスカ。メカ周りもチープ。

そしてこちらが自分持ちのPioneer仕組み。奥行きが20cmということで、これまた小さいったらありゃしない。そして軽い。正に0が二つ削られたマシンにふさわしい。一昔前のオーディオでは絶対に許されない、棒にも箸にも引っかからない存在。

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[図:例のアレ2]

一部世間様で有名になっているEidos20と師匠様所有のEidos18とではベースが異なるということで単純に比較するわけにはいかないけれども「いとこ」くらいには似ているかな、と。

さ、見た目はどうでもいい。肝心なのは音だ、音。万が一この二つが甲乙つけ難いと暴露されてしまうと、僕らはきっとWeb界隈でヒーローになれるかもしれない。そしてオーディオメーカ関連者につけ回されるかもしれない。海外からの刺客に命を狙われるかもしれない。

被検体はオーディオチェックとしても使い勝手がよさげな『ディズニー・オン・ブラス』SACDパートから「パイレーツ・オブ・カリビアン」。出だしの90秒にチェックポイント多数なこの音源は今後も重宝する予感。

さて、まずはGOLDMUND Eidos18ME-V。出だしのバイオリンの艶、その後ろに位置するパーカッション、シンセとの重奏、そして金管低音楽器のえげつのない響きと分離。自分が足踏みしていたSACD購入の背中を一気に押してきただけあって、全てにおいてパワフル。それでいて端正であることを基本にチューニングされているシステムであるがために、どれだけボリュームを上げてもスピーカーが悲鳴を上げない。ホールで鳴るあの吹奏楽ならではの中途半端な響きも、エンタテインメント性も共存させて響かせてくれるこの楽しさ。これだから師匠宅訪問はやめられない。

一方のPioneer。再生。

ん?出だしからして…パーカッションはどこへいった?遠い、遠いよ。トライアングルは確かに聞こえてくるけど、タムが聞こえない。重奏…はまずまずクリア。値段差を考えるとかなりがんばっている。で金管低音…上滑りだ!聴き手のボディに響いてくる「ほんまもんの低音」を表現しきれていない。

もちろんSACDというメリットは絶対なので、CDパートにあるようなガマガエルの断末魔にはならないものの「破綻しないけれども表現しきれない」というジレンマが発生する。いや。待て。「0」の数の差を考えると、これはこれでものすごくがんばっているんじゃないか。その数の差こそが、個人のチューンナップレベルでは対応しきれない、理想への追求にふさわしい意味なのではないか?

かくして、比較試聴を終えた僕の第一声。

「PioneerはSACD!GOLDMUNDはSuper-SACD!」

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雑誌やWebの記事、コメント等に左右されない純粋なオーディオファン、オーディオマニアはしっかりと自分の耳に基準を持っていて、そこに向かって邁進している。車にお金をかける人、家にお金をかける人、旅行にお金をかける人、オーディオにお金をかける人。確かにオーディオは最も役に立たない趣味かもしれない。自分の耳と感情との対話が求められる、それを求めていく世界であるがために、一見すると宗教のような難しい世界として映るかもしれない。でもそれも数多ある「娯楽」の中の、選択肢のごく一つでしかない。嗤われる理由はどこにもないはずなのだが。

買い手も趣味の世界の住人であれば、売り手も趣味の世界の住人。一つのマシンを作り出すためにかかる手間は、テンプレート化された工業製品のそれとは大きく異なる。PC本体が各メーカのいいとこ取りであるように、オーディオもまた同様においしいところ取りの、かつ、音を殺し合わないようにしながら目標の音を引き出していこうとするチューンナップと品質管理、家内工業の上で反映される価格なのだ。たとえ心臓部に近いメカが同じであったとしても、それ以外にかけられる試行錯誤の工数が価格にも反映される。そこを見逃してはならない。そしてそのチューンナップを必要としない僕のような人間は、ベルトコンベアの上の軽いマシンを使っていればよい。価格差をどう捉えるかはその人の価値観次第。それこそ一般論でとやかくいうものでもないし。

ということで僕は相変わらずオーディオに関してはお師匠様に未知の世界を体験させてもらいつつ、少しずつチューンナップしてもらいながら音に時間をあずける次元で生活をしていこうと思う次第なのだ。

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ところで二者の音そのものに対するインプレッションに文字を割いていない理由は、単に自分の記憶力が極端に弱いからなのであり。聴いているその場で書かない限りは、絶対に覚えていられない。これもまた自分がオーディオマニアにはなれない致命的な欠陥なのでありまして。

注)一部画像は師匠様によるもの

ref.

Pioneer DV-600AV

GOLDMUND (STELLAVOX JAPAN)

Disney on Brass / 佐渡裕&シエナ・ウインド・オーケストラ (2008)

TBadmin
この記事へのコメント

本家!!

でも、その辺まで来るとブラインドテストでわかる人って、世の中の何パーセント位なんだろうとか思っちゃうよね。

耳が良い(肥える)のも、良いのか悪いのか。

ちなみにウチのオーディオは、10年前買ったセットで10万円以下のミニコンポよ。

Posted by: springman at 2008年05月07日 17:34

おや、スプさんいらっしゃいまし。こちらがかつては分家だった本家です。

「ブラインドテスト」というのはある種の殺し文句というかNGワードというか、オーディオにおいてはタブーなんだと僕は思っています。

利き酒のようにある種の社会的ステータスのあることでもないし、単一メーカーでも機種や時期によって音が極端に変わってきたりしますからねぇ。ちょこっと手を加えるだけ(もしくは敢えて何もしないだけ)でも音が激変しますから。でも耳が肥えるのは悪いことじゃないと思っています。見えてこなかった音や意図が見える瞬間、というのは音楽を聴く上での喜びの一つにもなりますからねぇ。

ただし、そこに金を出せるかどうかという一番の問題はさておいて、と。僕には到底無理な世界です。お師匠様に教わりながら、自分好みの音さえ探せればそれでよいかなー、などと思っております。車の基本的な性能や機能の差を知識として持っておくのも悪くないかな、的な。

ちなみに僕が使っているメインのシステム(といってもDATだけ)ももう10年選手であります。あとは全てお師匠様からの借り物や作ってもらったものばかりなので!

Posted by: 本人 at 2008年05月07日 22:32