2008年02月14日

Tapestry / Carole King (1971)

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塾講師をしていた学生時代、先輩講師に 「洋楽洗脳プロジェクト」 を依頼したことがある。してセレクションの中にあった 1/約20 がこのアルバム。

もう10年ほど前の話ではあるけれども、渡された袋の中に入っていたCDは間違いないのない「歴史的名盤」と「今後の名盤」がブレンドされていた。その時の作品メモを残していなかった自分に対して悔しく思うのと同時に、その当時に気に入った作品以外を無視してしまったことが悔しくてならない。今となって思えば、それらは自分にとってのみの名盤リストになったはずなのに。

今の自分はその当時よりも一回り歳を重ね、そして自分が好む音楽、アンテナに掛かった曲を聴きあさり続けてきたわけだけれども、もし同じようなプロジェクトを依頼されたとして、その誰かにだけ向けた、その場のインパクトとその人の10年後に思わず振り返ってしまうような記憶的なセレクションができるだろうか。

キャロル・キングのこの歴史的名盤に関しては「1曲目がかっこいいなぁ」と思った程度で、手元に残すことなく返却してしまった。図書館の書架にあったこの作品を発見し、そして何も考えずに再生させたら己に流れ込むかのようにあの時の記憶が再び戻り流れ込んできた。ああ、これはあの中の一枚だったな、と。

三十も半ばに入り、音楽の興味対象がやっと外に向かいはじめた。ようやくではなくやっとだ。耳の入場制限が緩くなり、音に対する感度が適度に広くなり、そしてルーズになった。無駄なく、無理なく、背伸びせず。時に過去と未来の耳を取捨選択しながら。

あの耳へと近づくまでに10年もかかってしまったけれども、ここに収められている音に対して今の自分が素直に向き合っていることを、せめてあの方に伝えてみたいと思ってみた今日。図書館に立ち寄ったこの日はバレンタイン・デーだった。

ref.
Tapestry / Carole King (1971)