まだまだ体は癒えるに至らず、除夜の鐘に並ぶことを諦めて留守番を引き受ける。乳飲み子の甥を抱えてカウントダウン。部屋には二人きり。
眠りを引き寄せることに不慣れな子はただひたすらに泣きわめき、あやすことを投げ出した叔父は自らの体を揺り籠に変え、ジャニーズのディケイドメドレーに目を遣る。
鳴き声に麻痺した耳。無意味に向かって放たれる心。ディケイドのはじまりはどこだ。
今年のはじまりには去年までのディケイド。来年のはじまりには今年までのディケイド。そして大きなくくりの中に今が飲み込まれていく。
ようやく眠気に包まれようとしている子どもにとってのディケイドは、ようやく一つめのカウントアップ。
僕や彼らにとってのダブルディケイド、トリプルディケイド、その全てが過去のもの。君にとってのディケイド、その全てが未来。君の過去は限りなく未来。飲み込まれる勢いよりも早く育て。