東京での放映から数ヶ月遅れで ? こちらでもオンエアされたアジアツアーのドキュメンタリーを見た。
テーブルの上に置き忘れたままにしていたサンプルタバコの封を切り、火をつけたはいいがこの上ないまずさにビデオを止め、やけに冷気の張りつめた空の下、ベランダ用スリッパを突っかけてタバコを買いに行く。オリオンは飽きもせずオリオンのままでそこにあり、東京で見るそれと大差ないことにあえて感慨を押さえ込む。
ビデオが終わり、換気扇を止める。部屋に入り、タバコの臭いが残るのを嫌い、匂いのきつい香を焚く。1本、2本、3本。ビデオに影響されてアルバムを流しつつ、ビールとタバコを進ませる。タバコは喉と残臭にやさしい D-spec ものを。そして灰皿の中にはコーヒー屑。明朝、いつもより 30 分は早い出勤、単なるヒューマンメッセンジャーとしての業務。それでも 1 分たりとも遅刻が許されない明くる朝の存在が頭の足枷になり、タスクトレイの数字に時折目を走らせる。矛盾を矛盾の筵で覆う、決定的な臆病。臆病である自分に怯える夜。携帯の電源を切り、電話線を抜く。弱虫な自分を優しい言葉でなじる者が窓の隙間から入りこむことを滑稽なまでに恐れる夜。
あまりにもおざなりで、あまりにもステロタイプな作りの番組でも、最後に流れた 「虹」 に何かを感じずにはいられない単純さ。矛盾、複雑、単純、飽きもせず循環。
そろそろ L'Arc〜en〜Ciel のライブに行くのもいい。次の作品がいつになるのかはさておき、どの夏だったかも思い出せない夏の再生と、あれからどれだけ経ってしまったのか、一ケタの勘定すら億劫でならない、あまりにも適当な晩。誰にも邪魔されることなく独りであることを嬉しく思う夜。
好きなだけ深みにはまり、好きなだけ格好をつけて夜を潰せばいい。そしてまた、何も考えず、鍵を閉めて外へと出て行く朝になり、鬱々とした思いの全てをぶつけるだけの単純作業に没頭するでもなくそれでも没してゆく毎日を繰り返していれば、やがてお迎えはやってくる。果たしてこれほど臆病に生きているというのに、遅々としてそれはやってこない。
ref.
HEART / L'Arc〜en〜Ciel (1998)