☆君繋ファイブエム / ASIAN KUNG-FU GENERATION (2003)
こういうバンドがロックへの入口になる今の時代って、すごく幸せだろうな。けれんみのない蒸留酒。さくっと飲んで、さくっと酔って、さくっと抜けていく。 「あれっぽい、これっぽい」と挙げていけばきりはないけれども、嫌味を考える必要もないほどにストレート。
でも、音を外すほどの 「叫び」 というのはどうなんだろう。胸の中にあるわだかまり、マグマとして抱えている葛藤、メンタルな通過儀礼はいつの時代もロックの材料ではあるけれども、感情の爆発 (もしくはその比喩としての) 叫びという技法は、もう過去のものにしてもいいんじゃないかと。
そんな錆臭い記号を全面的に信用してしまうほど、僕らは単純に音楽に接しているわけでもない。ましてや、一昔前とは比較にならないほどに高い成熟度にあり、かつ多岐にわたる選択肢の一つとしての音楽にさらされている今日日の僕らであればなおのこと。ここでは、シャウトを安売りしていない曲の方が、よほど曲が曲として瑞々しく泳いでいるように思える。
コンポジションとアンサンブルという基本中の基本において、聴き手を惹きつける華が十分に含まれているのに、曲の中で築き上げた世界を自ら崩す、そのねじれがアイデンティティなのだとしたら少々もったいない。ねじれなどなくとも、疾走感を伴って気持ちよく伝わっているのだが、はて。