☆GOLDEN☆BEST / PSY・S (2002)
松浦雅也先生! 本当にお願いですから、自身監修で SACD ないし DVD-Audio にてオリジナル音源のリマスターを! これはいわゆる非公式なベストなのだろうけれど、リマスタ担当のエンジニアの頑張りを感じるからこそ、本家の手による音源を、熱望を上回ってまだ余るほどの切望で。
さて。
PSY・Sの特に初期の曲を聴くと、オケの品質が、合成音源を作り出す技術によって制限されてしまうことを実感するのはいうまでもなく。
とはいえ、品質向上を目的に、最新の技術を総動員させてこれらの楽曲をリメイクしようとすると、すでに記憶された音源、もしくは脳内補完された音とのギャップが大きくなりすぎて、作り手がよかれと思った作業であっても、聴き手にとっては違和感ありまくりな結果になってしまうことは往々にしてあるわけで。
たとえば、クラシックがクラシックの域に突入したのは、残されてきた譜面や音源を元に、己の解釈能力に長けた指揮者、演奏者の存在と、定番解釈とのせめぎ合いの中にあっても新解釈を潔しとする聴衆の耳が常に存在していた、生まれていたという歴史の運に恵まれているからじゃないか、と。
また、楽曲作成当初の作品をリアルタイムに知るよしもないことから、ある種の口伝の域に入りつつ、時代ごとに多くの解釈が切磋琢磨しながら存在し続けたことから、音楽の中に競争が働き、師弟制度と権威主義的なニュアンスを取り入れて、うまいこと砦を築くことに成功したからこそのクラシックなのだろうな、と。伝統工芸品の世界。
録音音源が残ってしまうことと、楽曲そのものよりも楽曲の制作者自身が尊重されるケースが多々ある今の時代、ポップスがオリジナル音源史上主義になりがちなのは致し方ないか。ということで、今後、ポップスがクラシックになるのは、実はなかなかに難しいことなのではと思うわけでして。
とはいえ、ジャズないし古典ロック近辺では、スタンダードナンバーを取り巻く数多の新解釈が存在し、それが徐々に許されつつある現状を考えると、聴き手の持つ自由度こそが、新たな命の存在を是とするか否かに左右するのではないかと。
何よりも時間的な囲いにおいて、まだまだポップスは同時代の音楽であるわけで。
と、 PSY・S を聴いていただけなのにつらつらと。