2004年06月14日

オリコン ニューメディアチャートを観る (SACD, DVD-Audio)

[ AV]

いつのまにか、オリコンサイトに 「ニューメディア」 チャートが掲載されていた。サイトリニューアル時には coming soon 扱いだったように記憶しているから、 5 月分から新規掲載されるようになったのかな。

内容は 「DVD-A, SACD, DVD-M」「SACD ハイブリッドディスク」 の二本立て。

セールスポイントが記録されていないことと、まだまだテイクオフ直後にある規格ということから、 10 枚程度の差で順位が変動する世界なのかもしれない。けれどもなかなかにこれが、黎明期ならではの混沌が現われているようで興味深い。

前者のチャートを見ると、岩崎宏美の 2 枚のアルバムが浜崎あゆみを従える展開。なにせ 10 位に冨田勲、 12 位に石原裕次郎。その他、高橋真梨子、喜多郎といった名前だけを拾い上げてみても、このチャートが持つ時間は、懐かし光線による歪みに冒されているような気がしてくる。もしくは懐古主義、過去の栄光主義的な NHK 臭さがあるとでもいうか。

新規格オーディオソフトを牛耳っているのは、財力に自信のあるオーディオマニア、それもオーバー 40 代というところかな。今の時代、 20 代のオーディオファンがあえて冨田勲をチョイスして DVD-Audio で楽しもうとする姿を想像するのは、少々難しい気がするのだけれど。

一方で後者の SACD ハイブリッドチャートを見ると、 1 位が木住野佳子の新譜、 2 位が MISIA のベスト、 3 位に TOKU の新譜となっている。以下、綾戸智絵、The Who、akiko、ケイコ・リーなどなど。もちろん、 SONY が中年層向けにターゲットを絞っている、南佳孝、太田裕美、浜田省吾あたりもチャートには入っているけどね。

こちらは生の話題性優先で、チャート内時間も、リスナーの時間も、比較的真っ当に動いている印象。同じ NHK 臭さでも、NHK を通して能動的に 「全国区」 という名のお洒落を仕掛けたい野心とでもいえばいいか。今の音楽に敏感な層を、新しいメディアにうまく誘導しようとする作用が見えてくるようにも。また、 SACD ハイブリッド盤はそれとは知らずに購入している層も多いのかもしれない。

SACD ハイブリッドが現時点で取り揃えているジャンルやターゲットが、 DVD-Audio とは、方向性を異にしているからこその、傾向の差ともいえる。が、規格の性質という点で、 SACD ハイブリッドがリスナーをメディアの段階からシームレスに誘導可能なのに対して、 DVD-Audio は真っ新な状態の規格に乗り換えを迫らないといけないあたりで、やはりどうにも不利だよね。

マニアのためのマニアな規格になってしまえば、いろいろな新メディアが辿ってきた 「ぽしゃり」 の歴史に名を連ねることになってしまうわけだし。どうもそういったきな臭さというか、居心地の悪いスメルが DVD-Audio には漂ってくるような。

…といった予想の裏付けができそうな結果も出てきたわけで、次世代オーディオの今後を、より具体的に占うことが可能になってきたのかも。その当時との比較という意味で、 CD 黎明期に分析眼バリバリだった人の、 「〜だったように思える」 ではなく 「〜だった」 と、明確な裏付けのある意見も探してみたいところだね。

個人的には、大容量アーカイブとしての DVD-Audio と、新作探求型の SACD との二本立てで、お互いにメリットのある道を探って欲しいと思う次第。何にせよ、現行の CD 程度の規格で発表される新譜の多くが、これらのニューメディアでも同時発売されないようでは、どちらにせよマニア向けの規格で終わってしまうように思えるけど。メーカーとパブリッシャーはどこまでやる気なのか、はたまた気長にいけるのか、その辺りは常に心配なご時世なのがネックかな。

文中 URL は 06.14.04 現在

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