ポルノの 2 枚の最新シングルをレンタルしたのよ。道すがらカーステでそれを聴こうと思ったのよ。音が飛ぶのよ。飛ぶというか、再生がちょこまかちょこまかと止まるのよ。止まって、しばらくしてまた再生再開。その繰り返し。 2 枚とも止まるポイントはほぼ同じ。従来の CCCD ではこんな現象はなかったのに。まともに再生できたのに。レーベルゲート CD2 ってやつだ。そういえば僕の友人も嘆いていた。
「レーベルゲート CD2 を PC で聴こうとしても、うんともすんとも言わない」
僕は大人だから、これはメーカーが悪さをした結果、なれの果てだということを知っている。悪いのはメーカーだということを知っている。
でも、もしこれが、心をときめかせるアーティストに一途な中高生の身に降りかかったとしたらどうなるんだろう。アーティストに裏切られた感じがしないかな? 小遣いで買ってきた CD なのに、音が飛びまくる。曲を楽しむことができない。悪いのはアーティストのせい? 違うかもしれないけど、でも、もしかしたら…どうなんだろう。
思い出した。僕が中学生だった時の話。
まだまだ CD は高嶺の花だった。 3 年越しの夢が叶って、とあるご褒美からやっとの思いで CD ラジカセを買ってもらえたけれども、 70 分オーバーの CD は後半がまともに再生できないという現象があった。当時の安物プレイヤーにはしばしば見られた現象だった。せっかく買った CD を最後まで楽しめないのは、本当につらかった。
僕が大人になるとともに技術も進化して、いくら安物のプレーヤーでもそんなことは起きなくなった。よっぽどのことがない限り、音飛びするなんてこともなくなってきた。それなのに、そんなプレーヤーで音飛びを起こす CD が登場してしまった。
「糞だ! クソ! こんなもんはクソだ! ふざけんな! クソ!」
下品の極みは承知で、僕は排泄物の名前を連呼した。叫んだ。悪いのはアーティストじゃない。悪いのはメーカーだ。悪いのはメーカーだ。悪いのはメーカーだ。本当にメーカーだけが悪いのか? いや、悪いのはメーカーだ。悪いのはメーカーなんだ。あの頃の僕らの心をときめかせるような音楽を届けてくれた、あのメーカーなんだ!