2000年09月09日

T-SQUARE 解体

20000909-amazon-tsquare-news.jpg

T-SQUARE、事実上のバンド解体。

オフィシャルサイトに設けられた BBS を見る限り、ショックよりも納得が先行した方が多いようで。かく言う自分も、この所の T-SQUARE のイマイチぶりには首をひねっていた一人。

ああいったメロディアスなインストは、サントラ人気からも外れ、テクニック重視バンドからも外れ、インストのメインストリームから完全に取り残されていたようにも思えてくる。その中で、長年続いた看板を抱えながらの活動が結果として破綻をきたしたのであれば、それはそれでバンドスタイルを整理するには充分なきっかけになったのだろうか、と。

T-SQUARE で印象に残るアルバムを挙げると以下の 3 枚だろうか。 「THE SQUARE」 から改名後の 『WAVE』 、それまで T-SQUARE の顔だった伊東たけし脱退後、本田雅人を迎えてのアルバム 『NEW-S』 、そしてやはりサックスとキーボードが宮崎隆睦、難波正司に変わっての 『GRAVITY』 。どれもがバンドの節目を迎えるとともに作られたアルバムであり、一節ごとに燃焼させる何かを駆り立てようと、それによってバンドを存続させようとあがいていた姿も見えてくる。

だからこそキーボードに松本圭司を迎えながらも、新しい風を感じることの出来なかったバンドに対し、多くのファンが今回のアクションに納得を見せたのではないだろうかと。

安藤まさひろと伊東たけしのツートップだった THE SQUARE 時代ならまだしも、 T-SQUARE にとっての顔は本田雅人ただ一人であったことは間違いない。このバンドに与えたエネルギーは、振り返ってみると尋常ではなく、伊東たけしの後釜という偏見で迎え入れたファンは、バンドアンサンブルとトリックの応酬で緻密に書込まれた 「MEGALITH」 (『NEW-S』 収録) で度肝を抜かれていた。この時点で T-SQUARE の生命は決まっていたのかもしれない。本田雅人脱退と時を同じくして、T-SQUARE そのものが迷走したのだとしても、それは当然の帰結だとも。

芯なき戯れ言はさておき。

本田雅人の最新アルバム 『Real Fusion』 には、お得意のトリックナンバーも、歌い上げるメロディアスソングも充分に詰まっていた。 T-SQUARE が外れてしまった王道を、本田雅人はまだ走っている。バンドの命を引き継ぐ者は、何もバンドという形を続けているとは限らない。次なる T-SQUARE にも、T-SQUARE を作り上げた人間にも音の命は引き継がれ、流れていくことだろう。ファンはそれを追い続けるのみ。

cf.
T-SQUARE "WAVE" P:1989
T-SQUARE "NEW-S" P:1991
T-SQUARE "GRAVITY" P:1998
本田雅人 "Real Fusion" P:2000