2004年01月31日

GOOD MUSIC / KICK THE CAN CREW (2004)

20040131-amazon-kick-goodmusic.jpg

思いも寄らなかった体脂肪率の低さ。 「リリックを淡々と記録するよ」 といったところか。脂を落としすぎたスペアリブを食べさせられているような気もする。しかも骨多め。ヘルシー。

これって RIP SLYME の 『TIME TO GO』 でも感じていたことなんだけど、この辺のアーティストが同時期に音数減らしの方向に進んでいるということは、完熟に至るスリーステップの、そのセカンドステップにサクっと突入したということなんだろう。キックの MC は三人とも肉厚な声で押していくというタイプではないので、自分たちの声を生かすという意味では、随分と考えられているトラックのようにも思える。

ソリッドであっても TSUTCHIE (SHAKKAZOMBIE) のように、あっさりと感染症にかかってしまいそうな痩身感というほど極端でもない。器という円盤であるループ、モチーフを土台以外の装飾へと無駄に発展させることのない KREVA の考え方は、調味料レスで食べるには必ずしも美味いとは言いきれない食材、 MC に対して、それでも過剰な調味料を和えることなく食べてもらおうという潔さがあるようにも感じられる。

明らかにそれとわかる音質重視の姿勢からもうかがえるが、これまでは寂しさ、パーティチューンという語彙でのみとらえられていたキックが、耳から感覚へとダイレクトにつながるシンプルな心地よさを求めるようになったのは、 KREVA の冷静な感覚と体温とが、澄んだ方向、上流へと深化したことも意味するんだろう。ポピュラーヒップホップの静かな変化を具現している存在として、やっぱりチェックしておいてよかったと思わせる仕上がりで、幸せ星三つなのだ。

cf.
KICK THE CAN CREW "GOOD MUSIC" P:2004