2001年01月08日

坂本真綾論を stop run. (登録商標不正使用)

12 月に狂ったかのごとく語っていた坂本真綾ネタに関して、嬉しいことに熱い反応メールを頂きました。ちょっとツボだったので、ご本人の承諾を得た上で Web 上返信してみたいと思います。ほぼ全文引用です。

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初めてメール差し上げます。

こちらこそはじめまして。メールありがとうございました。

レコード会社はそもそも、彼女を広く一般に売り出す気は無いのでは無いでしょうか。既に小さい牌とはいえども、ある程度の購買層は確保しているのだから、それ以上冒険に出る必要は無い、と考えているような気がしてなりません。

それはあるかもしれません。その筋の者から言わせると 「 100 円でも利益が出れば、そこに版権や音源を持っている限り、レコード会社はリリースするんだよ」 となるのですが。アーティストを 「将来的に生産を行う予定である音源」 として考えると、この一言はいくらでも拡大 (と書いて 「その場の都合にいい」 と読む) 解釈が可能となります。

ちなみに坂本真綾の最高セールスは、オリコンにおいては最高で 6 万枚程度。実際の所アニメショップなどで購入している層も厚いと思われるので、射程距離として 10 万…まで行かなくとも、それが見えるレベルにはいるアーティストだと思います。

この辺は結構不思議な話で。ミリオンセラー・メガヒット連発のツケで、レコード会社は 10 - 30 万枚程度をコンスタントに売り上げるアーティスト発掘に燃えようとしているのに、その一人になれそうな坂本真綾に関しては、発破をかける、市場に向けて仕掛けるタイミングを随分と待ちすぎている感があるんですよね。CD デビューしてから、もうそろそろ 5 年目に入ろうとしています。アルバム 『ハチポチ』 のセールスの良さを見てなのかか、最新シングル 「マメシバ」 に関しては、これまでにない積極策を打って出たようですが、それも関東ローカルでの話ですし。

林原めぐみが声優ソング業界で大きい業績 (…) を残せているのは、結局のところその歌唱力だったり、プロデューサーの力だったりするわけじゃなくて、彼女自体の声優としての活躍度がそれに比例しているだけだと思うんです。坂本真綾が牌をきざむ現状に甘んじているのはそこでは無いのでしょうか。グレーゾーン 「声優」 どちらにも認知度が低い、と。声優としての仕事量が多くないために、大きな御友達の中でのアンセムにもなれず、かといってグレーゾーンには宣伝の少なさのために知られてさえいない。

ちなみに 「声優ソング」 の限界は 30 万枚だろうと踏んでいます。世間一般のアーティストよりも、あなたのおっしゃる通り声優個人依存・アニメ作品依存が高い業界なので。マーケット (アニメに関連したグッズに対して積極的に消費している頭数) も素人目に見てせいぜいその 2 倍くらいなんじゃないでしょうか。 「楽曲として」 の宣伝を打つ必要もなく、旧来のタイアップにおんぶでだっこ方式でも少なくとも 5 ケタ、下手すると 30 万枚とかいってしまうんですから、結構ボロい商売といえばボロいっすよね。

だからこそ音源、オケ制作費は安く上げておく必要もありますよね。金太郎飴型アレンジが多い理由もここにありますし。それはそれでハマってしまえば面白いのです。先日も天気のいい真っ昼間から、林原めぐみのベストアルバムなぞを気持ちよく流して首都高走ってましたよ。 「あーレインボーブリッジだ、お台場だ、観覧車だ、海だ、フジテレビだ、でも音楽は林原だ、助手席は空席だ」 …さておき。

多分に、レコード会社としては、彼女はあくまで 「声優」 なのでしょう。 「大きな御友達を引っさげて、ある程度の稼ぎをしてくれよ」 、という奴でしょうか。

そういうことになるんでしょうかね。ただここに一つ、現実の落とし穴が発生しています。声優業を後回し? にして歌手業に本腰を入れた結果、「マメシバ」 (00.12) のセールスが 1 万枚を割ってしまったんですよね。これはびっくりでしたよ。ほとんど宣伝に力を入れなかった前作 「しっぽのうた」 (00.08)でさえ 1 万を超えている事を考えると余計に。楽曲として楽しむ分には、明らかに前者の方が門戸が広いですよね。

「ってことは何? 坂本真綾個人としてのファンの頭数は 1 万人にも満たないわけ?」

と、一人で勝手に憤慨するわけです。まぁ、それはそれで結論を急ぎちゃってる安直ブレインなんですが。

アルバムリリースを春に予定しているというアナウンスが入っているので、普段の購買層が買い控えに入っている可能性も考えられます。アニメファンは、自分の好まない領域、使わなくてもよいお金に関しては本当にビタ一文たりとも出しやしません。その代わり、ハマってしまった日には全財産注ぎ込む人も結構いるんじゃないかと。いや、極端な話じゃなくって、本当に。でなきゃアニパロ同人誌市場が成立する理由立てに破綻を来してしまう。

そんな話をしたいんじゃないや。

シングルコレクション 『ハチポチ』 の曲目には、その全てにタイアップしているアニメーション作品名が記載されていました。それを見て、少し落胆したのはこちらの身勝手なのでしょうかね。 「唄う坂本真綾」 が好きな人間としては、 「じゃあ声優辞めちまえ!」 と乱暴な事を思ったりもするのですが。

ここにもまたいくつかの落とし穴が存在します。

まず 「タイアップとしてのアニメーション」 ということ。つい先日も触れたばかりなのですが、アーティスト性が先にありきのタイアップであれば、アニメ名を伏せておく必要はないんですよね。たとえば B'z の 「ギリギリ chop」 というシングル。あれはカップリング共に 「名探偵コナン」 のタイアップなのです。

おかしいですよね。アニメの作品名が冠にあると、どうしても僕らは斜に構えて物事をとらえてしまうのに、アーティスト名の方が出かければ何にも考えずに聴く、もしくは聞きながすことができる。

そしてもう一つ。たとえば俳優の副業としての歌手業はどうなるんだ?ということ。最近の例で行くと広末涼子かな? 顔というポピュラリティと代理店の知恵があれば、初めに人物ありきで、普遍的な可愛いらしさを持つ子にデッキブラシの一本や二本持たせてしまえば、それだけでヒット曲の一つや二つがたやすく製造できちゃうイージーブレインな市場が現実としてあるわけです。で、そんなアーティストがどんなヘタなタイアップをつけたとしても、それによって歌い手や楽曲の顔が汚れるわけでもない。

ぬぅ。一般大衆 (笑) を前にして、声優というカテゴリで物を語ってしまうと、もう何もいいようがなくなってしまうのか。このように坂本真綾の楽曲を 「声優ファンのための音楽にしておくのはもったいない!」 といくら声高に叫んでおきながらも、叫んでいる本人が、結果として声優職を見下しているという状態なのです。林原めぐみを嘲笑の材料として使いつつも、音楽として積極的に利用するという矛盾を常なるものとしてしまっているのです。

曲名にアニメのタイトルが振られていた件ですが、僕も一瞬がっかりしました。で、そこで胸を張れない自分にもがっかりしました。というか、胸を張るなどという無理ある行為を意識した時点で僕の負けでした。がっかりです。僕自身に。

長々と支離滅裂な文で申し訳ありません。これからも更新を楽しみにしています。

こちらこそメールでも Web でも支離滅裂ですいません。それに実はあんまり話をまとめる気もないんですよね。今回のネタなんて音楽的観点には全く触れてませんし、これ以上ツッこんで考えたらキリがないし、キリが見えない限りは話も止まらないし。

ということで、ダラダラと思いついたことを、いつものようにダラダラと書き綴ってみました。酒場であなたの仲間と坂本真綾について語っていたら、たまたま隣の席に居合わせたタチの悪い音楽好きに絡まれてしまった、という程度に読んでいただいて構いません。そしてこれからの更新がいつまで続くかはわかりませんが、とりあえず明日くらいまでは最低でも続けようと思います。引用のご快諾ありがとうございました。

あぁ。レコード会社の宣伝部隊でもなんでもないのに、一体なんでこんな暇なことしてるんでしょ (笑)。