R&B と Soul とでは何が違うんだろうか、ということから話は始まる。
晩飯ついでに ASAYAN の男性 R&B デュオオーディション企画を見ながら、ふと思ってしまったこと。上手いよね、歌。下は 16 歳で上は 22 歳の 4 人だったかな。デビューが決まった彼らが今後どのような活動をするか。そんな暇つぶしな予想なんてどうでもいいや。結果としてリリースされた音源を聴いてから、語るなり無視するなりすればいいのだし。
R&B という言葉が先行して、何もかもをここにくくって語ったのは Misia、宇多田ヒカル登場以降かな。でも 「それ系」 のボーカルという理由で、吉田美和を R&B にする人はいないと思う。
で、先の ASAYAN を見た後に、突然聴きたくなったのは久保田利伸の 『the BADDEST』 。リリースは 12 年前になる、リテイクを含めたベストアルバム。同世代の方ならご存じの、説明不要なビッグヒット。久保田利伸も R&B ではない。カテゴライズするとしたら Soul だろう。連想ゲーム的に平井堅を思い出した。彼は Soul か? いや、R&B コーナーに並べられるはずだ。
ってことは、R&B って、その音楽性じゃなくって 「ああいうボーカル」 の 「彼女ら以降」 の世代を指し示した 「時間」 を意味するカテゴリー?
面白いな、それ。
『the BADDEST』 の話。きっと Soul をうまく日本味に仕立てあげたのが久保田利伸だったわけで、「TIME シャワーに射たれて」 に含まれている一通りの日本的黒さってのは、今、チャートを席巻する、多くの音楽の根源としてみることも可能でしょ。もちろん今のアーティストが、これを根源として認めているというわけじゃないけど。端から見ればそう思えないこともないだろう、というだけの話。
不思議と 「You were mine」 に代表される、まさにヒットチャート好みのハイエナジーダウナーソングって、例の R&B のアーティストはあんまり手を出さないよね。これはどういうことなんだろうね。
音源としての音は古いかもしれないけど、曲としてはわかりやすいし、何よりも純粋にかっこいい。ボーカルスタイルも他にない存在だし。当時の自分はまだまだ制服を着たガキで、今頃になって久保田利伸がどれだけ特異な存在だったかに気づかされるわけだ。で、久保田利伸は過去にビッグヒットを飛ばしたアーティストであるがために、その実績がレッテルになって今に至るのか、それとも元々この手のボーカルには、実はそれほど根強い需要があるわけじゃないのか。ちょっとその辺が気になる所じゃない?
となると、例の ASAYAN のデュオの今後も何となく占えるような気がしない?
かく言う自分は 『the BADDEST』 を 2 度ほど聴いた後に、『the BADDEST 2』 を中古にて買ってきたところ。久保田利伸の旧譜はたたき売りされていることを承知で店に足を運んでみれば、期待を裏切らない価格設定。税込 294 円。
これ、持ってなかったんだよ。レンタルしてテープに録った当時、 『THE BADDEST』 と比較して明らかに BPM が落ちているこのアルバムの良さが分からなかったんだけど。今ならもしかして、と思って。
で。うん。格段に聴きやすい。これなら何度でも聴ける。歌の上手さ、キャラの強さはもちろん言うまでもなく、流しっぱなしにしてもいいし、時々一緒に歌ってみてもいいし。メロディが分かりやすいってのが特にいい。取っつきやすい。
ところで、何に比較して 「格段」 なのかって?
もちろん、今風の上手いアーティストと比較してだよ。
cf.
久保田利伸 "the BADDEST" P:1989
久保田利伸 "the BADDEST 2" P:1993