2004年01月16日

レンタル人間のメンタリティ? (音楽配信メモ)

[ CCCD]
誤解を恐れずに言えば、MXでMP3ダウンロードしてるヤツもレンタルでMDにコピーしてるやつも大してメンタリティーに違いはないと思うし。そんなレンタル的構造を作ってしまったのは、ほかならぬ音楽業界だったりするわけでね。 音楽配信メモ 2004.01.16

音楽配信メモが 「誤解を恐れずに言えば」 と述べている、その内容を知るよしは僕にはないし、それは推し量って考えるより他にないのだろうけれども、その続きのくだりに関してはちょっと残念に思ってしまった次第。

パッケージミュージックに対する考え方、スタンス、アプローチは千差万別で、僕自身もそれを盾にして自分を守ることが可能だ。 (※1)

ただし、違法か合法かという部分を取っ払って述べてしまうことは、 CCCD を真っ当に論じようと試みる良心溢れる人たちの 「(CCCDの存在を是とする建前としてある) 音楽とアーティストを守ろうとしようとするその姿勢だけは間違っていない」 という意識自体を否定してしまうのではないのか? という気にさせられてしまった。

CD を購入するというのは非常にギャンブルだ。 3,000 円を払う価値はないが、レンタル料金を払う価値のある CD は確実にある。また、レンタル市場が牽引してきた過去のサムシングは確実に存在するし、レンタルによって広げられる音楽の間口だってある。 (※1.5)
また、たとえば僕 (ら) は数々のシングル CD をレンタルし、それを元にして、歌うことでアーティストへの還元を積極的に行ってきたという過去を経ている。そして、それは今も続いている。

売れ線の音楽ソフトは、スタートダッシュの 3 週間以内で売上のほとんどを決める。だからこそ、アーティストや売上を保障すべくレンタル禁止期間も設けられており 、金銭のフローだって整っている。それが法によって守られているということであり、合法とされるゆえんなわけだ。 (※1.75)

それに、音楽に対して自由になるお金だって限られている。それはこの歳になった自分自身のスタンスで語られるべき事ではなくて、音楽にお金を費やすきっかけになった歳がどういう歳だったのかを考えると、自ずと導き出されるものでもあるように思える。

そういった具体的かつ端的な例を一つ取っても、レンタル的構造という文化的構造は (一刀両断的に) 否定されるものか否か、一瞬だけ立ち止まって考えてみてもいいはず。 (※2)


もしレンタル的構造が否定されるのだとしたら、良心的に語られることの多い音楽と、 (結果として) 商業を全てとする音楽との違いもふまえた上で語ってもいいのではないか、という気もする。 (※3)

レンタル市場の存在によって拡げられた間口までもが否定される、それほどの転換点に来ているのか、それともこれは、レンタルを愛する僕の単なる私怨ちゃんコメントなのか。

少なくとも、そんな僕はレンタルで MD にコピーしているどころか、レンタルで CD-R にコピーしている人間なので (※4) 、 MX で MP3 にダウソしている人間を嘲笑って背中から刺されることのないように気をつけようと思った次第。レンタルにも MD にも、これっぽっちも違法性はない。だから刺すなら俺を刺せ! みたいな。だって、誤解を恐れずに言えば、リッピングとエンコードという行為を可能にした技術やブレインのメンタリティ、モラルまでもが問われかねない。技術の進化が文化を殺すのだ! (※5)

…。

誰か、この連鎖・連関・連環を整理すべく QC のツールを使って図示してくれるだけでも、きっとバイト数と時間と、そして CCCD に端を発する怒りのループを解きほぐすことができるんだけどな。他力本願? そりゃそうさ!


※1
「僕とあなたとのスタンスはねじれの位置にあるのだから仕方がない」という盾。

※1.5
音楽出版会社系アニメ出版会社に勤める友人と、昨年末、とあるアニメについて教えてもらったときの会話 (ちくしょう、数をしっかりと覚えていれば)

俺「『某略称 4 文字のアニメ』って、もう DVD スケジュールが完璧に決定しているのな」
彼「そりゃそうだ。あれは DVD の売上をそうとう見込んで作ってるもん。社運掛けてるから」
俺「で、どれくらいはけるの?」
彼「○万くらいかな、そのうちレンタルがごにょごにょごにょ」
俺「え、レンタルってそんなに出すの? 敵対視じゃないの?」
彼「レンタルは確実に見込みが出せるパイだから。貴重な収入源だよ」

(※1.75)
レンタル CD ショップに入っている CD 、すなわち過去のカタログも、売れるアーティストの作品はたとえ 5 年や 10 年規模で古いものであったとしても売れるものは売れる。年間 5,000 枚以上のセールスを残すことだってざらだ。

※2
Web という自由度の高い空間だというのに、アンチ右向け右 = 左向け左的な烏合の衆による意見の連鎖反応 (最早それは一つの現象だ!) を目にしてしまうと、生き馬の目をぶっちぎって抜きまくっている Web なんてものは、単なる幻想でしかない。時に CCCD に関する論調だって同じようなものだ。アンチ CCCD 論調に一度ゲンナリしたくせに、それでも懲りずに vox を再開させて結局今も同じことをしている自分がその構成物体の一辺でしかないということは、もう嗤うしかないわけだが。

※3
個人的には、既存の音楽の価値というレベルでの、良心か流行かという比較論に基づいた分類、上下関係を唱える難解音楽至上主義 (流行音楽毀損主義) に対しても懐疑的であるし、早い話が眉唾なのだけれども。

※4
私的録音補償金!

※5
問われたらたまったものじゃないし、殺されたらたまったものじゃない。止マッテタマッカ!

original 2004.01.16 p.m.
modified 2004.01.17 a.m.