彼女が助手席に座っていた 750km
何度も変えてくれた CD プレイヤーに
最後の一枚を入れる
聞き慣れた前奏にハザードを加え
リップクリームを取り出す
家までの残りわずか 20km
ウィンカーを右に出して車の流れに乗る
唇に当てたままのリップクリーム
料金所への最短距離を頭に描きながらふと
仙籍はどこへ返せばいいのだろうと
少し考えて笑った
それでも一番肝心なところで
死ぬまで仙籍に入ったままか
これもまた一つの
それほど長くもない自分の
人となりなのかと
cf.
Fishmans "Aloha Polydor" P:1999