2002年01月12日

熱血グルーヴ津軽 (津軽三味線)

三が日、 BS-2 で吉田兄弟、木下伸市、上妻宏光の 4 人による津軽三味線セッション番組を見る。共演もあり、また提示された題目に対してそれぞれが新曲を書き下ろすという企画もあり、 1 時間弱程度の短いプログラムの割にはなかなか密度の濃い物だった。余計なトークがなかったからこそ、さらに楽しめたのかもしれない。

何よりも面白かったのは、見事なまでに四者四様である音。まだまだ自分の耳は個々の手癖が聞き分けられるほどの経験値はないものの、その場で個性を聴き比べるくらいは出来る。顔かたちの見た目、もしくは演奏時の表情と音に関連性が感じられたのは気のせいか。芯の強そうな顔には芯の強い音があり、柔和な顔には柔らかい音が宿る。その中でも僕好みの 「太い」 音を聞かせてくれた、木下伸市が見事にツボ。

ダイナミックレンジの概念を考えると話は早い。歪む直前のピーク時の音量と、ノイズに埋もれてしまう直前の微少な音量とのギャップは、相対的に前者のピーク値が高ければ高いほどに、音が緩む瞬間の引込まれ方が大きい。大波に攫われることの恐ろしさは、その波の高さもさることながら、引きの強さによって海に飲まれてしまうことにあるのと同様。木下伸市の面白さは、このダイナミックレンジの大きさにあると見た。どうだろう。

NHK の 「トップランナー」 にも出演していた木下伸市なのだけれども、 CD を買おうという気分にまでにはならなかった。でも、他奏者との比較がなされたこの番組を見て認識チェンジ。昨年末にアルバムがリリースされているようなので、これは買うべし。それにしても avex からのリリースだったとは。

パターン化による音楽で稼ぐところはしっかり稼いで、なおかつしっかりと先行投資 (税金対策) も怠らないところがいい。 cutting edge が avex 傘下である以上、僕はブランド名だけで 「avex?」 と鼻で笑う人間の鼻を潰して行くつもり。 coaltar of the deepers も cutting edge に移籍することが決まってるんだよな。

話が逸れた。

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六三四というバンドがある。和太鼓、尺八、津軽三味線、ドラムス、ギター、ベース、キーボードという大所帯のバンド。ここで津軽三味線を担当しているのが上妻宏光で、和太鼓を担当しているのが、先に触れた BS-2 での津軽三味線セッションで和太鼓を担当していた茂戸藤浩司。

ひょんなことからこの CD を聴いたところ、笑い死にそうになった。言うならば 「ヘビメタ meets 邦楽器」 。演奏は至って真面目だし、楽器編成からして楽曲のアプローチも間違ってはいないとは思うのだけれども、いかんせんボーカル曲がおかしくておかしくてたまらない。

あくまでも個人的なツボであることは百も承知で言うならば、これは 「バンドサウンド型熱血アニメソング」 の王道。メタルがかったアレンジ。熱いボーカル。ほとばしるエネルギー! これをアニメソングの王道といわずしてなんという。

この曲を聴くことで、なるほど、いかに FENCE OF DEFENSE がアニメソングにぴったりだったかがよくわかった。端から見ていると滑稽なほどに空回りしている力強さが、対象とする聴き手を選ぶとなかなかな相乗効果をもって受け入れられるということなんだろう、と。六三四をバックにして、影山ヒロノブ辺りにボーカルを取らせたら完璧だな。俺的に完璧。

cf.
六三四 "Far East Groove" P:1988