2002年03月02日

ちょっと待ってよ! CCCD ってどうなのよ?

音楽ファイル交換 will never die とか、how to とか、なんでお客様は神様であるところの消費者が泣きを見るのだ? とか。

ついに日本においても、 PC 上でのコピーが不可能になる CD が発売されるとのこと。一月ほど前に散髪に出かけた時も、理容師さんの口から 「コピーできない CD って、あれ、どうなんすか?」 と出てくるくらいなのだから、これはなかなかに大きな話題なんだろう。その質問を受けた当時は、個人的に楽観視していたから 「そんなすぐに出回るようなもんじゃないと思いますよ」 なんて無責任に語っていたものなのだが、いやはや現実はなかなかどうして。

さて。ダビングという行為が、シーケンシャルではなかった時代はそれまで一度もなかったわけだ。ところが、数十倍速でのアクセスが可能になる CD-R が大普及したことによって、かつてのカセットテープで行われていた倍速ダビングとは比較のしようがない、高音質的かつ時短型ダビングが実現してしまったことが全ての不幸の源。 「ダビングは等速で行われない」 ことが当然になってしまえば、PC を使っての CD 再生が不可能というのは 「ダビングの魅力」 が著しく損なわれてしまうのだろう。

あくまでも 「だろう」 。

かくいう自分は、オーディオ用 CD-R デッキを使用しているので、いくらコピーコントロールが導入されようとも 「ちょっと前に戻ったってな感じか」 くらいなもので。この辺は後述。 CD-R デッキにも音楽用 CD-R にも、前払い的な私的録音補償金を支払っているし、 SCMS の導入にも疑問を抱いていない。某サイトにて 「MD に戻るということか」 と書いてあるのを読み、なるほど確かにその通りだと。

「圧縮音声データ形式におけるファイルの交換の抑止」 というのも、なかなかに結構な建て前。コピーコントロールが導入された CD であっても、配布する人は配布する。 「P2P のファイル交換」 とはいったって、Web と同様、圧倒的にダウンロードのファイル量が多い。それでも配布側の人間は配布する行為そのものに趣味的な楽しみを見いだしているのだから、コピーガードが導入されても、嬉々としてエンコードを行うだろう。

方法1:
1.CD & CD-R のダブルデッキと、 CD-RW ディスクを用意。
2.マスターの CD から CD-RW にコピー。
3.CD-RW 内のデータを PC にコピー。
4.エンコード。

方法2:
1.デジタル出力端子が備えられている CDプレイヤー、DVDプレイヤー、ゲーム機、ポータブル CD プレイヤーなどを用意。
2.デジタル - USB の変換コンバーターないしサウンドボードを用意。
3.1 で用意したプレイヤーで該当ソフトを再生し、PC の HDD 上に記録。
4.エンコード。

この作業において、自分が購入、もしくは正規にレンタルした CD を使うのであれば、違法性は全く存在しない。ゼロ。まったくもってゼロ。ステップ 4 までの作業を行った人が、その後にどのような作業をするかなんてことは、僕のあずかり知らぬことだ。

このコピーガード最大の問題は 「自分で音楽を楽しむためのエンコード作業にすら、オーディオ機器を介在させる必要が生じる」 こと。こればっかりは、確かにやってられない。ただし、冒頭でもふれたように、ダビング行為は等倍速で行われていた時代の方がはるかに長い。ところが、上述の 「方法1」 ならば、CD に 50 分以上くらい入っていれば、時間的には等速と大して変わらないんじゃないだろうか。かつてのカセットテープに比較しても音質は格段に高くなっていることを考えると、そんな手間は手間のうちに入らないともいえる。

PC とオーディオとを統合させようとするハードメーカーと、著作権を元にコピーコントロールを導入しようとするソフトメーカーとのズレは激しい。それは認めるけれども、そもそも音楽とのインタフェースとデータとのそれはまったくの別物だったのだし。これから PC の世界に飛び込んでくる人にとっては、PC と音楽との接点がなくたって、それはそれで疑問の対象にはならないような。 「PC に音楽をダビングするための初期費用が 2 万円くらい」 ってのは決して高価ではない。もしも高いと感じるのであれば、それはその人にとっての音楽の価値が、その程度だということだ。

とやって、気分的にごまかすのだ。それしかない。 OS によって再生の可不可が生じるという馬鹿な話だって 「PC は音楽を聴くための道具ではない」 とあしらわれてしまえば、ユーザは涙をのむしかない。本当にこんな馬鹿な話はない。再生できない CD を販売して
金を取る?

例の 「COMPACT disc DIGITAL AUDIO」 のロゴが冠されているプレイヤーで再生できない CD って一体なんなんだ? と、揚げ足取りの材料を見つけたと思ったら、 PC 用の CD ドライブについているロゴって 「COMPACT disc」 だけだったよ。その辺の互換性ってどうなってんだろう…。


CD のロゴ


PC の CD-R/RW ドライブ


CD のロゴ


オーディオ用 CD-R デッキ


CD のロゴ


えぇと…

なんてことを考えていたら、某レコード会社の音楽配信システムでは、 1 曲あたりの単価を引き下げるとのこと。確かにベンチャー気質な会社だから、ビジネススタイルを追求している姿には納得させられるものがあるのだけれども、大々的にコピーコントロールの導入を謳ったのもこの会社だということを考えると、気分はかなり複雑。音楽の届け口としての PC には興味はあれども、パッケージのストレージとして利用する PC には興味がないともいえるのかな。かつては CD と PC との親和性を追求していた会社なのだけれども。その行き着いた、現時点での瞬間的な一つの回答と見るべきか。

ダビング、という行為があること自体 「パッケージレス」 であることに抵抗を持たない層がいることを意味しているわけだし。全ては今に始まったことじゃないのか。

頭が煮えそうだ。