浮いたり沈んだり。午後 8 時にして、ビールは3缶目。外で酒を飲むのだとしたら、大したペースじゃないけれども、午後 6 時から飲み始めたのだと考えれば、これは妙なスローペース。しかも家で一人。数日前に生え始めた気合いの歯牙が一瞬にして抜かれてしまい、負も正もひっくるめた感動の要素も平坦になってしまう 「なすがままになる」 の気分で、与えられるままに食事を口に運んだ。淡々と。
そこには 1 時間ほど前に家族がつけたテレビがあり、トーク番組との境目がなくなっている音楽番組のようなものが流されていた。声が妙に強調され、音の艶に欠けるスピーカにうんざりしながらも、ボリュームを下げる気にもならず、だらしのない子どものようにテレビに目は釘付けで、食材を身体に取り込む。
高校の後輩がいるんだよと、そんな情報を耳にしたことのあるユニットが番組に登場し 「もしかしたら、この中の誰かとあの校舎の中ですれ違ったことがあるかもしれないなぁ」 などとぼんやり思いながら、気合いの入らないトークを聞き流す。目はややうつろに固定しつつも。
「微妙な芸能人」 のネタには欠くことのない学校だった。イレギュラーをレギュラーに取り込んで悦にいるような、そんなポジティブ・ウェットな日本人気質を持ち合わせない学校を出た自分が、実はそんな 「気質」 に取り込まれているという、良くも悪くもない居心地をなんとなく意識する。しまりもなく終わったトークに続けて、形ばかりと始まったライムが、自分の意識とやらを、自分の身体があるところに少しくらいは集めてきているのを感じていた。
少な目の気合い、先延ばしの期待。
無理してもはじまらない。
パレットにたらしたポスターカラー。
交わらないマーブル。
交錯する。
それは自分の立っている点、次は自分を取り巻く点、そして自分に近い点、やはり自分とは違う点。
勝手な想像が、勝手に自分をかたどって、そんなこんなで今に至る。そして何時に至る? このカウントはぼちぼち晩年を見ようとしている。
そうだ。これっぽっちも期待してなかったのにね。
cf.
KICK THE CAN CREW "アンバランス" P:2002