や、よかったっすよ、これ。現在進行形でよいと思うですよ。
Hip-Hop 畑の人たちって、明確なキャラクターを持った人たちほど、企画ものとしてバンドと組んでセッションしたがるのはなぜなんだろう。そしてそれが成功する…というか、成功例がうまい具合に耳に入ってくるというのはありがたい。あのね、ラップって生音にこそ合うと思うのよ。
グルーヴっていう単語があるじゃない。それって 「揺らぎ」 って意味でもあるよね。ループに乗せたラップだって、それが人間の言葉である以上は揺らぎそのものなんだけど、時折バックの剛性が強すぎるゆえに、何かがかみ合わない歯痒さを感じるんだよね。界面で溶けあわない感じ。ガラス越しに服を脱ぎ合っているみたいな。
でも生楽器と組み合って行くと、向こうの揺れにこっちも対応するぜ的な揺らぎ合いで揺らぎ愛な感じのバイブスがピースで、シャボンだって沢山できるってものでしょ。聴いている方としても、向こうサイドのギミックと、こっちサイドのトラップとをとっかえひっかえスイッチして楽しむことができるわけだし。インプロビゼーション的観点からしても、演奏もラップも同じようなもので。
そして何よりも聴いていて楽しいということ。パーティを開くときに主催者としてのイニシアチブを握ってオーガナイズするか、ディレクションだけを持って雰囲気作りに徹するかとの違いだろうと思う。具体的に言えば、自分の家にゲストを迎えてパーティをするか、会場を借り切って全員がビジターとして楽しむかという違いじゃないかと。この作品はもちろん、圧倒的に後者なんだよね。気を遣う必要がないのと、後片づけの心配がいらない楽しさ。
サウンドも、ありがちなミクスチャー方向に振り切れない、振り切ろうとしないところが面白い。ラップに単調なミクスチャー風味を加えたいのであれば、オレンジレンジでも聴いていれば済むってことじゃん (違う) 。
正直なところ、ライムスターの活動経歴がどうだとか、誰それのリスペクトがどうだなんてぜーんぜん興味ない。その辺は、 Hip-Hop 系の人たちに対して全て言えることなんだけど。オラが村自慢をしている暇があったら、こういう風に飽きが来なくて素直にかっちょええと思えるトラックを量産してくれと。
ということで、異種交流試合みたいな国産生音 Hip-Hop を楽しみたいというのであれば、このアルバムと SHAKKAZOMBIE の 「S-SENCE 2000」 は必聴かつ必携。
Best Track
tr.2
「ロイヤル・ストレート・フラッシュ session with 高橋達也と東京ユニオン」
ビッグバンドと組むか!
一見さん的なインパクトももちろんだけど、演奏とのコール&レスポンスが爽快すぎ。 DJ もスクラッチワークでしっかりと仕事をしているのがうれしい。
cf.
Rhymester "ウワサの伴奏 〜And The Band Played On〜" P:2002
SHAKKAZOMBIE "S-SENCE 2000" P:2000