オーストリア帰りの A 氏が、マーラの 8 番、 9 番、 10 番の収められた CD をお土産にくれた。東京生活も 30 年近いというのに、初めて足を踏み入れた新宿はタイムズスクエアの、やけに子どもの声が気になるティールームで。
今年に入ってから、正確には今年も半ばを過ぎてから、人からクラシックのディスクをプレゼントしてもらうのが、この上ない喜びに思えるようになってきた。ロック、ポップスほど頻繁には聴かないだろうけれども、一生物になりうるプレゼントをもらっていると感じる喜び。
僕のことを、音数が多いと燃えるタイプだと言った人がいた。構造が複雑なのも平気だし、逆にシンプルなのも好きみたいだとも言っていた。
このところの自分はクラシックづいていて、これはすごく嬉しいプレゼントだと A 氏に 伝えると、同席していた B 氏は言った。 「成分を見ると今年の前半はひどいスコアだったけど、後半になって妙に精錬されているよね。」 B 氏は僕の 「成分」 にいつも細かく目を通しているようだ。
そうかもしれない。無駄なものを聴こうという意欲がいい具合に枯れた。 Web 上で試聴すれば、それのオリジナルと再生産との割合を簡単に確認できるようにもなった。 20 代を締めくくろうとする流れが、ここに来てうまく巡ってきたのかもしれない。
音数が多くとも少なくとも、華やかでも静かでも、システマティックでもインプロでも、例によって適度に手広く無理をせず、見栄を捨て、財布と相談しながら、こんな感じで 2003 年度も終了。
ということで、12月にかけては 「2003 年期出逢ってくれてありがとう」 アルバムをピックアップしてこの一年をまとめてみようと思う。個人の選出にランキングは無意味なので、アルバム 10 選・20 選という形ではなく 「印象に残り、今後も何かと聴くことがあるだろう」 というアルバムを無作為に抽出しようと思う。
対象は例年通り? 2002年 12月 から 2003年 11月 までに出逢った全アルバム。リリース時期は無視。 2002 年度はタイトルの列挙だけで終わった ので、今年度は文章を省くことなく何かしら記録していこうと思う。
抽出の順番は時系列。 「成分2002」 の 12月からスタートして、 「成分2003」 の 11月 に至るまでのディスクから、印象の強いアルバムを出逢った順にピックアップ。 2003 年 11 月までたどり着いたところで、簡単に総括してみようと思う。
「vox」 も Weblog というフォーマットを借りて再開したことだから、 1 アーティクルにつき 1 ディスクで、かつ 「2003年に出逢ったアルバム撰」 といったようなカテゴリで括ってみよう。
((2003.12.22.追記))
当初は 2003 年 11 月までに聴いた作品を選出対象にする予定だったけれども、改めて今年の成分表を見直してみると 「まず間違いなく選出されるだろうけれども、まだそこまで聴き込んでない」 という作品が 11 月期作品には多い (多すぎる) 。
ということで 「2003 年 10月までに聴いた作品」 に変更。聴き込んでいないアルバムを選出するなんて、そんな無責任なことはできないし、名盤の予感がするというだけで発売直後のアルバムを名盤扱いするような若さもないし。 10 月期に聴いたアルバムの中にだって、もう少し聴き込んでみたかったアルバムもあるくらいだし。