街のノイズは時間が生んだ活力の削りくず。切った爪の欠片、太陽を避ける猫の瞳、信号に埋め込まれたLEDの配列、ぐるりと描いたなると模様。身体のノイズを少しだけ分けて、混ぜ合わせた境に浮かんだ羽毛。布にまとめて身体を沈ませ、ほつれた縫い目から飛び出したのは踏みならす音。アスファルトのおろし金さえ、靴が喜ぶドレミの外側。歩け歩け、人に隠れてステップ崩して。
cf. Polaris "Family" P:2003
月光の下、檸檬を聴きながら、レモングラスのハーブ ティーを飲んだ。夜空は雲なく、月は明るく、夜気は 塵なく木の葉が香る。明晰な夜の姿を見下ろした丘の 向こうには、ここにはない水滴が立ちこめて、靄。 灯火がやわらかに滲む。 踊りだす心を、目を伏せて微かにほころばす口元に 鎮めて、おやすみと窓を閉じる。 もう一度、月を見上げて、カーテン。