2003年11月03日

Longtime Favorites / 竹内まりや (2003)

20031104-amazon-longtimefavorites-takeuchimariya.jpg

オールディーズには日本語がよく似合う。それは見せられ続けた懐メロ番組で、散々刷り込まれてきた記憶のせいなのだろう。が、懐メロではなく、最新ヒット曲として聴いていた耳からすれば、似合う似合わない以前にそれは日本語だったのだ。そして、日本語で伝えられたメロディに心を躍らせ、まだはるか遠くにあった欧米文化の薫りに思いを馳せた人々のファンタジーが、曲の上に重ねられていったのだろう。当時の最先端だった欧米のテイストを、日本人の耳に響かせたいと願った先人達の努力もまた、そこには強く宿っている。

ここでは和洋伊の三つの言語が一つの盤面上に織り交ぜられ、オールディーズにふさわしい、リッチでチャーミングな声の持ち主が言語の橋渡しをしてくれる。若々しさという意味での 「チャーミング」 だけではなく、聴き手が年を重ねるように、歌い手もまた年を重ね、そして何よりも曲が年を重ね、それでいて曲が曲である以上は時間を越えてしまうという自発的なマジックと、時間を味方につけて今に形をなそうとする施術的な魔法への吟味と尊重とが同時発生的に行われている。

無粋はここまで。この作品にはレコードプレイヤーで引き出してみたい味がある。暖炉はのぞむべくもないから、せめてホットミルクからおこしたココアを用意して、ゆっくりとさましながらマグカップに口を付けるのだ。何を考えるともなく一通り聴き終わるのと、うとうとと眠りに引き込まれる時間とはきっといい勝負のはず。

cf.
竹内まりや "Longtime Favorites" P:2003

この記事へのコメント

これ買おうと思ってたんですよ。
良さそうですね。
参考にさせていただきました。

Posted by: noppo at 2003年11月04日 01:05

「リッチ」というのは、
コテコテという意味でもあるのですが、
それでもやっぱり安心して聴ける作品だと思います。
購入の後押しになれば幸いです。

noppoさんのサイトは扱う作品の振れ幅が好きで、
これまでもちょこちょこのぞかせてもらってました。
コメント頂けるのはうれしいなぁ。

Posted by: 本人 at 2003年11月04日 22:28