2003年10月21日

For Beautiful Human Life / キリンジ (2003)

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こりゃ、まいった。なんだ、この濡れメロのラッシュは。濡れ濡れだ。びしょ濡れ。雨に濡れて車に乗り込んで、ほっと一息ついた後にぞくっとくるあの冷たさ。

ある意味、リスナーズ・ミュージック的な強迫観念で聴いていた過去のキリンジよりも全然好きだ。時に鼻についていたシニカルさが、メロディに完全にバインドされて全く臭みがなくなった。そうだよな、キリンジは声が記号となっている恵まれた例の一つなのだから、これくらいの新・構造物感 (写真としてプレゼンされることで、都市的神格化されるお台場のような虚像感) があるくらいが丁度いいんだよな。

ニューミュージックという名の下で、とらえどころのないあの頃の音楽が、シティ・ポップとの曖昧の境界線を自ら抱えながらカテゴライズされていたというのであれば、この作品にはミュージシャンズ・ニュー・ミュージックの称号を勝手に与えて、積極的に人に勧めてみようと思う。いやー、まいった。

cf.
キリンジ "For Beautiful Human Life" P:2003