必要最小限の音で作り上げられるサウンドは、Loop Junktion 独特のクールネスを追求したもの。都市型のサウンドというよりは、意外に安眠系。深夜の FM で流れていそうなインスト曲も、不思議と無味乾燥に終わらない。表面的に聞き取れる以上に有機性が強いのかもしれない。非常に特徴的な存在。
それとは対照的に、アクの強い声質の MC がトラックに対してやけに不釣り合いというイメージがあった。が、ゲスト MC やゲストボーカルをこのサウンドに乗せてしまうと、通りすがりの耳を単に通り抜けてしまうだけのものになることがよくわかる。 MC の存在があってこそのヒップホップなのだと実感。ただし、このバンドをヒップホップとすることには、相当な違和感があるのだけれども。
bloodthirsty butchers "blue on red" P:2003 CCCD
CCCD だけど購入。 13 年分の歴史を時系列に並べるとどうなるんだろうという不安はあったけれども、通して聴いてみれば完璧なブッチャーズ印。リリース前の曲順リストを眺めただけでは伝わってこない、ブッチャーズならではの涙腺弛緩攻撃が仕掛けられている感あり。サウンド面において他に類をみないことから、一見さんに対しての入口を広く取ることが難しいバンドではあるけれども、このベスト盤を聴くことによって、日本的な、言葉にならない部分でのワビサビがこのバンドの核であることが見えてくるはず。非常に丁寧にまとめられている好盤。
収録されているシングル曲でこそ BPM200 をこえているものの、アルバムとしては BPM100 以下の曲が何曲も並ぶのが、このバンドの本質と意外性。それらテンポの緩い曲でも飽きが来ないのは、いわゆる 「Aメロ - Bメロ - サビ」 の構成を繰り返すだけの安易な編曲がなされてないからであって、ゆえに大作指向と評されたことも多かったのか。
実際には難解に凝るのではなく、ポピュラリティでの親切さを失うことなく、構成においてアレンジの時間的差別化を意識する展開がされている。演奏面でもシャキっとしたものはそれほど多くはなく、実際には音符の持つ時間をギリギリまで使う演奏が多いために、より一層お腹一杯感につながっている。
曲ごとの BPM をチェックしてみると、数値的な意味を見出すこともできる。楽曲がバラエティに富みながらも決してばらついた感じに終わらないのは、このような暗号的計算が施されているからかもしれない。
吉田美和 "beauty and harmony 2" P:2003
比較なんて無意味だとはわかっているんだけれども、それでも、ソロ前作と比較するとやや肩すかし。前作に漂っていた和テイストが気に入っていたから余計にそう感じるのか、吉田美和ならではの、言外にある怨念や狂気が濃縮されている曲と、さらっと聞き流せてしまう曲とのギャップを意図的に作り出しているせいか。
ただし、前作も時間が経ってから効いてきた曲も多かったので、今回も見捨てることなくちょこちょこ聴いていこうと思う。夜に聴くのは厳禁。女性の精神的粘膜に取り込まれて、相当なエネルギーを消耗してしまう。その意味における深さには、前作以上のものがある。歌い手も聴き手も歳を重ねたということ。