「シングルコレクションプラス」 と銘打たれた企画盤。オリコン最高位 14 位。オリジナルアルバムでは徹底してアニメ色を払拭しているが、ここに収録されている曲はそのほとんどがアニメタイアップということもあり、楽曲間のカラーのばらつきや、楽曲そのものの企画臭が強い。
それにしても、クラシックテイストが盛り込まれると、楽曲にはドラマ性が生まれると同時にやけにアニメっぽくなるのはなぜなんだろうか。三拍子の tr.1 と エスニックテイストの tr.8 はその最右翼的ポジションとも言える。 tr.6、tr.7 も然り。コーラスワークと、声優的歌唱メソッドがそう聞こえさせるのか。
忘れていた訳じゃないけれども、坂本真綾を声優として好む層ももちろんそれなりに存在するわけで、その点ではこのアルバムは歓迎の対象になるものなのかな。歌手真綾と声優真綾の両面を共存させたアルバムともいえるし、逆にその分だけ、歌手として、作品としての焦点が定まりにくく、初心者には向かないかもしれない。自称真綾ファンの自分であっても、このアルバムや 『ニコパチ』 を通して聴くのは辛いものがある。楽曲単位では好きな曲は多いのだけれども。坂本真綾というのは、総体的な雰囲気というシェルの中でこそ生かされる・生きてくる歌手なのかも。
一方で、世界観としてアニメ的開放感を取り込んだ tr.11 では、ポップスとしての旨みと、それを盛り上げるストリングスとのブレンドがうまく決まっているのは特筆しておくべきかな。これは多分にドラマーが両者の橋渡しをしているからなんだけど。さりげなく叩き流しているようなビートにも細かなキメをあちこちに配置していて、それが身体に心地よいのだよね。アニメソングファンの中でも、音楽性寄りの人間に真綾 (というか菅野よう子) がウケるのは、こういった快感を供給してくれるからなのかもしれない。
((蛇足))
「2ちゃんねる」 専用のブラウザというものを教えてもらってアニソン板を覗いたみたら、そこに 「坂本真綾 vs 水樹奈々」 というスレを発見。
読んでみれば、その昔、自分が某誌に寄稿した坂本真綾論が引用されていてびっくり。自分ですら何を書いたか忘れてしまうのに (何を書いてもすぐ忘れるけど) コピーを持っている方やら、内容を覚えている方やら、いるところにはいるものなのだね。当の本人が一番のほほんとしているんだから、タチが悪い。
そんな自分は、そろそろこの真綾タソノックがボディに効いてきたんだけど。見通しが甘かったな。あと 2 枚か…。
ハチポチ、いいと思います。私は好きです。
「アルバム」と思って聴かなければ、流しっぱなしも
OK。ベスト盤だと思って、安易に。安易にって決して
軽んじているわけじゃありません。
ニコパチよりも遙かに好き。だってどの楽曲も捨てが
ないもの、と思うのは、クラシック系の人間だからかし
らん?
私にとって曲調のばらつき→総体的雰囲気のばらつきは、
ニコパチの方が大きいと感じられるのです。
アニメソングというジャンルに属する音楽は割と好きだ
けれど、アニメソング自体には少しも詳しくない私のよう
な人間は、企画も先入観も何もなく聴けるのかもしれませ
ん。
それにしても、引用って勝手にされてたら、悔しくあり
ませんか?
出所と内容が書かれていたから、引用といっても目くじらを立てるようなものじゃないっすよ。ご安心を。それに僕が考えた内容なんて、他にも同じ事を考えた人間は何人も何十人もいるはずだし。
『ニコパチ』については、真綾タソノックでは触れないつもり。あれは本当にアウトテイク中のアウトテイクだと思っております。もちろんシングル曲を中心として、いい曲も入っているんだけど。あの時期の真綾がやっていた曲のプロトタイプや方向性探し用の楽曲が集められたのが『ニコパチ』だと思っております。だからこそ『指輪』のポジションも生きてくるわけで。
「企画も先入観も何もなく聴ける」ってのは意外だった。僕がこっちサイドの人間だから、そう思いこんでいるだけの話なのかも。
#それよりもしぇり様のキャパが広すぎるという説に500ユーロ。
Posted by: 本人 at 2003年09月03日 00:23