2003年06月07日

勝手にシンドバッド / サザンオールスターズ (1978)

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サザンオールスターズのデビュー曲、 「勝手にシンドバッド」 が CD でリリースされるという。このニュースを聞いた時、何か電球が頭の上に灯ったかのように、すっきりと納得できたものがあった。

78 年にリリースされたこの曲がデジタル音源になるのはこれが初めてではなく、 CD だったりや DAT に録音したものを、自分自身もこれまで何度も聞いている。が、不思議と何かがひと味足りない気がしていた。楽曲の持つ猥雑さ、方向性を持たないはちゃめちゃなエネルギーが、再現されていないような違和感を覚えていたのだ。

そこにこのニュース。鍵は 「78 年にリリース」 されたことにあった。自分が散々聞いてきたのは、レコードやカセットテープに記録されていた音であり、歪みやノイズと共存する箱の中に押し込められつつも、そこから止まることなくあふれ出してくるパワーが、聴いている自分を圧倒していたのだ。

アナログ懐古というわけではなく、曲が生きていたあの時点でのあらゆるキャパシティという限界が、聴き手である自分自身に何らかの仕掛けを施していたのだなと思い至ったまで。曲が生き延びることは、聴き手の環境と曲とが、形を変えながらも常に共にあるということである。自分が生を受けてからわずか 30 年足らずだというのに、あまりにも多くのデバイスを経験しすぎた。ただし、それは否定できるものでも悲観するものでもない。自分自身の加齢というその時々の楽しみ方に、ひと味加えるファクターがあるという喜びに転じられるものである。幸せだ。

cf.
Southern All Stars "勝手にシンドバッド" P:1978