「少し真剣な解析」カテゴリーアーカイブ

2017撰

2016年12月から2017年11月までに初めて聴いた作品(今年からはクラシック作品も含めて)から、その年の自分の心に刻み込まれた音楽を撰出する企画。2000年からブログ上で毎年行っているものです。

この間に聴いた約300枚のアルバムから、撰出されたのは15枚。結構高濃度。順序は入手した時系列です。

e-onkyo ⇒ シンドローム (96/24)

シンドローム / 鬼束ちひろ (2017 ハイレゾ 96/24)
完全復活、いや、むしろ新たに生まれ変わった鬼束を印象づけた強力な1枚。これまでの迷走は、より深く歌い込み、より彼岸へと辿り着くための回り道だったことを証明した。鬼束はもう1枚ライヴ盤を撰出。それほどまでに活動の濃度が高い1年であったのでは。

e-onkyo ⇒ Turn Up The Quiet (192/24)

Turn Up The Quiet / Diana Krall (2017 ハイレゾ 192/24)
ジャズからの撰出はこの1枚を。名高い女性シンガーではあるけれども、全く自分は通っていなかった。この新譜のリリースを機に聴いてみると、アイコニックかつ魅了させられるジャズボーカルが耳に届き、そして録音の良さにまた惚れ惚れとさせられた。これはハイレゾで聴いてみる価値のある1枚。

e-onkyo ⇒ SEA IS A LADY 2017 (96/24)

SEA IS A LADY 2017 / 角松敏生 (2017 ハイレゾ 96/24)
1987年リリースのオリジナル作品が、海の家のオーナーの手による作品であるならば、その30年後にリテイクしたこの作品は、高級リゾートホテルのオーナーにまで登り詰めた感のある1枚。線が太くガッシリとした演奏に、スムースなギター。作品の本質は変えずに、換骨奪胎を図ることに見事に成功した。

e-onkyo ⇒ 何度でも新しく生まれる (88.2/24)

何度でも新しく生まれる / MONDO GROSSO (2017 ハイレゾ 88.2/24)
様々なボーカリストを迎えてのMONDO GROSSO名義では久しぶりのリリース。もう過去の人になってしまったのではないか?との不安は払拭された。カラフルな楽曲群、そして楽曲毎においても、彩り豊かなサウンドメイキングがなされている職人の技をまざまざと見せつけられた。

e-onkyo ⇒ Tiny Screams (96/24)

Tiny Screams / 鬼束ちひろ (2017 ハイレゾ 96/24)
鬼束撰出もう1枚。こちらはライヴ盤。最小限の楽器編成で歌う鬼束が、自信と不安の狭間で揺れ動きながら初期の代表曲から歌い始め、最後には今の鬼束を朗々と歌い上げている様は、彼女の人生を凝縮したサーガのようなものなのかもしれない。

e-onkyo ⇒ 音楽と私 (96/24)

音楽と私 / 原田知世 (2017 ハイレゾ 96/24)
デビュー35周年記念リテイクアルバム。あの線の細かった女の子が、今では素敵な女性として活動していることに素直に脱帽したい作品。歌はテクニックのみではなく、時間の積み重ねと、聴き手の思い入れ、そして歌い手の人生が現れるものだと実感させられた。そして、それらを丁寧に汲み取ってリテイクしてくれたミュージシャンにも感謝。

e-onkyo ⇒ and… (96/24)

and… / 上白石萌音 (2017 ハイレゾ 96/24)
2年2作連続で撰出。もう自分も中年ですから、こういった可憐さには素直にひざまずくしかないのですよ。もちろん可憐さだけではなく、凛とした強さも兼ね備えていることを証明した作品。声優としての知名度が先行しているけれども、歌手としても素晴らしい資質を持った存在であることがもっと世間に伝わって欲しいもの。

e-onkyo ⇒ Duo Concertant (192/24, DSD128)

Duo Concertant / ライナー・キュッヒル & 福田進一 (2017 SACD)
ヴァイオリンとギターとのデュオ作品。パガニーニ、ジュリアーニ作品をリリカルに歌い上げる。伸びやかかつふくよかなヴァイオリンと、伴奏だけにとどまらない存在感のギターとの組み合わせが上質な時間を提供してくれる。録音も素晴らしく、SACDの本領発揮と言ったところ。

e-onkyo ⇒ Timeless 20th Century Japanese Popular Songs Collection (96/24)

Timeless 20th Century Japanese Popular Songs Collection / KEIKO LEE (2017 ハイレゾ 96/24)
一聴すると平凡なボーカリゼーションに聞こえるかもしれないが、その歌声は深く、そして小手先の技を使わないことで、カバーされた楽曲の素晴らしさを引き出すことに成功している。日本の大人ポップスはここまでクオリティが高いのだと訴えかけているようにも感じられた。


シベリウス:交響曲第2番&第5番 / ヴァンスカ, ミネソタ管弦楽団 (2011 SACD)
初のクラシック撰出。とにかく清冽。自然世界を描き出すシベリウスの世界観を美しく汲み取っている。この1枚を聴いたがために、全てのこの交響曲録音を一気に揃えてしまった。ベルグルンドのシベリウスも説得力があって美しいのだが、こちらの清らかさも捨てがたいものがある。

e-onkyo ⇒ ENKA II ~哀歌~ (96/24)

ENKAⅡ~哀歌~ / 坂本冬美 (2017 ハイレゾ 96/24)
演歌カバーシリーズアルバム。前作を撰出し損なったので、今作で撰出。原曲のイメージが耳の中で固定されている大ヒット演歌の数々を、彼女のの歌声と新たなアレンジで、見事に打ち破り、そして完全にモノにしているあたりに、この人の凄みを再発見するに至った。

e-onkyo ⇒ スリーアウトチェンジ (96/24)

スリーアウトチェンジ / スーパーカー (1998/2017 ハイレゾ 96/24)
30年目の邂逅。当時は全く自分に響かなかったサウンドが、今になってようやく理解できる、かつ耳を奪う作品として目の前に現れてくれた。あの当時から好きだったはずの轟音ギターとポップなメロディがなぜ受け付けなかったのか不思議でならない。それほどまでに、今という時代でも十分に戦えるサウンド。


THE GIFT / Hi-STANDARD (2017)
ジャパニーズパンクの雄、健在。実に久しぶりに届けられた新譜は、歳を重ねたはずのメンバーはまだまだやんちゃなパンク魂に満ちあふれていることが十分に伝わってきた。パンクは下火になりつつあるけれども、まだまだ勢いある若手と、こんなベテランが頑張れる土壌がある。


REQUEST -30th Anniversary Edition- / 竹内まりや (2017)
山下達郎プロデュース第二弾アルバムの30周年記念リマスタ盤。30年前から聴いている作品なので、もう語る言葉はそうそう残っていないけれども、それでも今の音としてブラッシュアップされたサウンドで、新たな発見があり、そして山下達郎が作り出すサウンドの凄みに改めておののくこと必至。

e-onkyo ⇒ 走る (96/24)

走る / Polaris (1998/2017 ハイレゾ 96/24)
Polarisが安定感あるPolarisとして戻ってきた感の強い1枚。ダビーなサウンドはそのままに、ポップとしての色鮮やかさをミニアルバムの中にきれいに落とし込んだ。Fishmans「SEASONS」のカバーはその極みではないかと。Fishmasの力を借りて今のPolarisの輪郭が明確になったとも言える。

(特記のないものは通常のCDによるリリース作品)

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撰出された作品は2枚のみなのだけど、今年はクラシックに大きく舵を切った年だったように思います。老後の蓄えとしてこれからもため込んでいくことでしょう。

ジャズはこれまで集めた作品を聴いていた時間の方が多いといった印象。ロック&ポップスは、これはいつも通りに聴いていた感あり。ただ微妙にレイドバックし始めた自覚はあるので、確実に年を重ねつつあると思うことしきり。

さて、年間300枚という数字は多いようにも取れるけれども、去年、一昨年の400枚、500枚に比較すると、ようやくここら辺で落ち着いて来たかな?という感もあり。

来年もまた素敵な音楽の出逢いがありますように。

以上!