詠む音楽

Sinking Slowly

coaltar of the deepers (1998)

「ほら間違っていたでしょう」
彼女は振り向いてそう笑う
何を選んでも間違いなのよと
ためらいの足踏みを見て
今日もまた笑う

手にした冷たい水で顔を冷やそうとしても
水は顔をつたって服へと吸い込まれるだけ
目が覚めるのは一瞬
そしてまた間違っていたでしょうと
言葉のない笑い顔だけが
sinking slowly

ひざまずいた僕はといえば
言葉を組み上げてももう遅いことを知っている
わずか、たたらを踏んだ時間が足枷
せめて頭から注がれる水で
間違っていないと言ってくれる何かを探している

そして憑かれたように
水を飲み続ける

昨日まで吹いていた冷たい風が
湿気を帯びてまとわる夜
だからまたコインを水に換え
間違っていないと言い聞かせる
間違いのきっかけを洗い落とす禊ぎのふりで
水を注ぎ続ける