詠む音楽

未完全論

MOGA THE \5 (2001)

生気の涯てには何が待っているのでしょうか
命が唐突に始まるものならば
日常のあらゆる全てのフレームもまた
唐突に終わるものでもあります
決して終わりは始まりなどといえるほどのものではなく
その狭間で息をする何者かが
常に私を待ち受けているように見えてならないのです
呆れてしまうことに、その
何かが始まるまでの何も無さに恋焦がれ身を投げ出してしまう
向こう見ずと言うにはあまりにも浅はかな
終わる瞬間のスフォルツァンドだけを目指して
私は常にスタートを切っているのです
過程と言うべき実のなる中で
根幹を切り落とすことだけに期待を持ちながら
事を進めるのです
終わりという一華を咲かせるでもなく
意味などという言葉の独り歩きを許せるほどには
軽薄に器は出来ておらず
そして、これを綴る今はついに
始まろうとする方法すらも忘れてしまったのです
日々、途方に暮れる私に酔いながら
沈んで逝く陽射しを見遣り
終わる、終わるぞと呆けているのです
窓景に終わりがあるはずもなく
醒めることのない酔いもなく
恥を恥じらうだけの度量もなく
天の理を分け与えられただけの身であっては
所詮は、涯てなどという大それた地の理からも見離されてしまうのです
未明の私が来光を忌みながらも
帳に身を包み隠れることを恐れ
今の今では叶うはずもない
夢という私の中にある格子に
つけ込まれる隙を与えてしまっているのです
増長することもまた良しとし
止める術も言葉も持たない私に出来ることは
その、いつ訪れるかも知れない突然を
やはり待ち受けることだけなのです