詠む音楽

I could be free

原田知世 (1997)

待ちぼうけ 25 分。傘を叩く雨粒 "ripple to crown" 集まった椅子、透明。待ちくたびれた足を休める従者を、まだ続くでしょう時間のお供にして。

高くなればうろこ模様も近くなって、触れる少し手前で止まった。今ごろ、あたふためいて時計ばかり見ているあなたも、まさかこんな所から観察されているなんて思わないでしょう。そんなに気がそぞろじゃ、車窓だってガラス一枚向こうで水滴の舌打ちを見せていじわるするかもね。

期待していた昨夜の夢のせいで、また続きの世界が腕を引く。何もないから不安もなくて、誰もいないのに誰かが抱えていてくれる。水の香を浮かべ、ふわり、髪を撫でた。

「まさかね」

呟いて、確信犯。軽く飛び降りて驚かせてあげれば、正体だってつかめるかもしれない。 1、2 の 3 。目を開けば、広がる次のスクリーン。それなら色鉛筆の絵本。同じ雑踏で、ほら、みんな空を見上げ、傘をたたみ始めた。せっかく持ってきた傘を、手持ちぶさたに、きっと駆けて来る。足元にはねる七色の輪。五つも描いて、ふわり。