詠む音楽

THE ENERGY OF SOUND

TRANCE, ATLANTIC, AIR, WAVES (1998)

moonlit town

月は創られし色。白ではなく、真珠でもなく、ましてや毒々しい充ち満ちた橙でもなく。反射のコーティング。弱い光と、強い影を生み出すべくして注ぐ光。照り付ける存在、降り注ぐ存在。柔らかい月に誘われるようにして、走る人工の街。

矩形、スクエア。 R のないエッジ。 90°のない体、 90°の住い、 90°の街。全てに冷たくはなく。幻影を映す、夢見の現。金属の上、石の下。好みに応じて浮遊し、聴く光。明滅。

地上の光は消え失せ、陽を射ね返す影が創る色を体に宿し。方眼紙のサンプリング。声すらもカーブを描くことなく、やはり直角に組み込まれ、仮想の像を増幅して行く。角の体積は足元に逆転を見せ、あるはずもないステップは、知るはずもない高い視点を与えてゆく。

届く。知らされたバリアさえも騙し絵の真実。近づくのではなく、引き寄せる球体。角を持つ球体は、天球をなぞり、天空にのしかかる。

力は全て光の幻術。陽の現れる頃、影に…沈み、弾かれた体のみが所を失い、漂 (う) き続ける。