詠む音楽

throwing copper

Live (1994)

音楽を大きく二分する。

"downer" or "upper"

ドラッグと同じく、精神を高揚させるか陰鬱に結びつかせるか。これらを使い分けることで自分をコントロールできるような錯覚を人は獲得する。それも薬の一つの効用であるはず。音楽は最も手軽なドラッグ。そしてこの音は圧倒的な "downer"。

マイナーコードでうねる、圧迫されたギター。持ち得る 「陰」 の感情を全て記録しようとするボーカル。リズム隊はそれらを増幅させ、大音量のスピーカーの前で膝を抱えるリスナーを、より地中深くへと導く為の案内人。

二分された感情の最終到達点は外的衝動。そして明らかに負の力を得た精神は、次に高揚させるべく破壊を求める。煽動するノイズ、ボーカルは歌詞で訴えかける。スピード、スピード、スピード。

アクセルを踏み抜き、ブレイクの瞬間、ハンドルを切る。圧倒的な闇。失速した力。

それでも無には還らない。常に生産され続ける衝動。そしてその効果が切れようとするときに、再び手をのばす。ドラッグ。